ぜんぶ盛り

推しへの愛が素直。

ミュージカル『タイタニック』観劇

観てきました。

シアタードラマシティ。

 

 

めっちゃ泣いた。頭痛くなるくらい泣いた。

 

以下感想。

 

 

仕事終わりに突然行くことを決意してTwitterにてチケットお譲りいただいたので、オペラも持たず詳しいストーリーも配役も知らずに観劇。

 

「開演前に双眼鏡のピンとを加藤和樹で合わせられるのはタイタニックだけ!」の意味が分かったww

開場直後からもくもくと設計図を引くアンドリュース。入った瞬間ちょっとびっくりするww

 

ストーリーは、皆様ご存知タイタニック号の処女航海~出港から沈没まで~という感じで、セットは甲板とそこへ至る階段が基本で、超シンプル。

 

出てくる人全員歌がうまい&メロディが美しいのでストレスが無い。

観劇初心者なので、キャスト全員生で観るのは初めましてだったんですけど名前は観たことある人が多くてすごい人たちが揃ってるんですね!?ほぇ!??となった。

チャールズめっちゃくちゃ歌うま!?!?ていうか声と滑舌が良い!王子様声!!!!ディズニーの王子様声!!!!!と思ったらこの人が相葉裕樹くんですか!!

藤岡正明さんもめちゃくちゃソウルフルっていうかロックっていうかこぶしっていうかミュージカルっていうよりそこだけ空気感がソロコンなくらいの圧倒的歌唱ですごかった。

あとハートリーの木内健人さんのダンスがめっちゃ軽やかでずっと見てた。目を奪われるとはこういうことを指すのだな。一人だけダントツで纏う空気感が違う…。

 

私がダダ泣きしたポイント。

「なりたいメイドに」の曲。

若者たちの夢と希望とこれまで感じてきた苦痛とか叫びとか熱とかがこもっている曲。

明日への希望とかこれまでの人生を一掃して成り上がってやる、幸せを掴んでやる、という悲痛なまでの熱量に泣く。

し、そこでふつうに感動しまくってるとともに、このあと彼ら彼女らを待ち受ける悲劇が脳裏をかすめて、つらくなる。

曲の熱量で泣いてるのかその後の展開を察して泣いてるのかわからなくなるw

関係ないけどレミゼ(小説の方。ミュージカルは未見)もABC友の会のシーンが好きなんだけど、自分の年齢に近い人に共感しがちってことなのか?

若者が夢とか希望を歌ってるシーンに弱い。特に夢も希望もない現代っ子なので。

 

そしてそういう意味じゃねえぇっていう泣くやつなんですけど。

一幕の終わり、怖すぎて泣く。←

これから何が起きるか知っていても、どのように描かれるのか怖すぎて泣く。

あんな状況で休憩させられても何も休まらないのでやめてほしいくらい←

観てから3日くらい経つけど「♪暗~闇~~…」のリフレイン頭から離れない、こわい←

あと、「乗り遅れた男」の悲壮感すごすぎてかわいそうで高いチケット代払って夢を胸に抱いてこの日のためにいろいろやってきただろうに乗れなかったのめっちゃ悲しい。いやその後のことを考えたら九死に一生を得たのでよかったんだろうけどw

 

一番泣いたのは二幕の一等航海士マードック全般です!!!めっちゃしんどい!!!!!!!!!!!

一幕の船長とのやりとりとか見てると、真面目で仕事熱心で優しい良い人なのだろうな、というのが伝わるので、氷山と衝突してからの彼辛すぎる。

「正面からぶつかっていれば」って自分で言い出すくだりもう泣くしかない。

いや、だって氷山の警告を無視したのも航路をそこに取ったのも船長だし速度を上げたのは船主だしそこに至る過程で判断をしたのは彼ではないのに、「現場は私の指揮下にありました」ってめっちゃ責任を感じているし、最期……。あれはだめ…。思い出したら泣いちゃう…。

からの、ラストシーン、晴れやかな希望に満ちた笑顔でオープニングのシーンに戻るんですけど、もうつらいつらいつらい!!!!!!!!!!!涙止まらない!!!!!!!!!

さっきあんな悲壮な表情で拳銃をこめかみにあてて震える手で引き金を引いた彼が!

笑顔で!

そこに!!!

タイタニックに!!!!

 

無理!!!!(涙

 

ひきずるわ…。もうアナ雪観てもハンスで泣いちゃう程度には刺さってる彼のタイタニック号での生き様…。

 

ボートに漕ぎ手が必要だ!のバレットも泣いた。

「あいつは客だろ?あいつらが俺たちの給料払ってんだ」って、生きるか死ぬかが掛かってるときにその理由でその選択肢を選べるバレット…。

そのあと結婚しようってイギリスに残してきた恋人の写真をずっと見つめてるのでもう余計泣ける。

「がんばれよ!」ってジム(とケイト)を送り出すの、ホント泣けて仕方ない。

そこからの、「彼女を未亡人にしないで済んだ」みたいな台詞マジやばい前後の会話で何言うかわかってるのに泣く。

だし、その会話の最中、一人、ほどいた救命胴衣の紐を締め直す男性がいて、その人は生まれたての子どもと妻が救命ボートに乗った人(=自分は死ぬわけにはいかない、って決心の表れ)ってTwitterみて知ってさらに泣いている。今。

 

そういう細かい芝居とか設定とか、この役とこの役の掛け持ちをしている意味みたいな気づきとか、考えれば気づけば知れば知るほど深みにはまる作品だしいろんなものがちりばめられているんだな、っていう驚きと感動。

 

エドガーとアリスは後半に行けば行くほど泣けたし、私はラストのリプライズ?最初に戻るところで、エドガーの仕草がアリスありきのエスコートでいとおしそうな目線でそこにいる(はずの)アリスを見つめている、他の人に比べてダントツでタイタニックそのものとか周りのものじゃなくてアリスだけを見ているので、泣きましたね。

「戻るって言っちゃったんだよなぁ」……。戻って、あげてよぉ…(嗚咽)

 

 

泣きポイントとは別として、キャラとしてエッチスさんがかっこよすぎて持ってたらオペラロックしてた。

なんなの!?

最初のワタワタして緊張ですっころんじゃう給仕とのやりとりとか、矜持というか一等客にふさわしい給仕を、みたいなプライド高そうな感じからの、客のステータスに合わせて素行が悪くなるのめっちゃ好き……。

柱にもたれかかってたばこをふかすエッチスさん…ドツボ…ずるい…。

 

あともうすぐ船が沈むっていうときに設計図見て「壁を高くすれば」とか言ってるアンドリュース君はもはや狂気を感じる。怖い。それまで素直でまっすぐで仕事のできる好青年って感じだったのに、あのシーンめっちゃ怖い。鬼気迫ってる。

開演前のあのアンドリュースは「死後、海底で、絶対に沈まない設計図に書き直しているのでは」っていう考察読んでヒェ…ってなっている。彼の遺体は見つかっていないというウィキペディア情報見てさらにヒェェ…となる。

自分が作り出した、最高の文明、海に浮かぶ街、これまでの巨大建造物そのどれをも凌駕する、新時代の、素晴らしき、船が、沈む。

たくさんの乗客の命を乗せたまま。

このミュージカルは群像劇でありつつも「主演」がアンドリュースなのは、タイトルロールである「タイタニック」に一番近い存在であるからなのかな、と思うなど。

 

「諍い」っていう船主、船長、設計士が各々に対して「罪を擦り付け合う」シーン観てても、別に誰が明確に悪いんじゃなくて、みんなのちょっとした判断の誤りとか不運とかそういうことがたくさん積み重なって起きた事故なので余計にやるせがない。

イスメイめっちゃこういう人いるよねわかる、ってなる。

偉大なる父がいると2代目てこうなりがちだよね、わかる。

どうにかして父を越えなきゃいけないしだからって成り上がり精神があるわけでも非凡な才能があるわけでもない、でも何かを成し遂げなくてはならないという強迫観念にも似た、だいたいのものをすでに手に入れているのに新たに素晴らしい何かを手に入れなければ自分の存在を認めさせることはできないがしかし自分の手で作り出すことはできない、そういう…。

あの3人が頭上でやりあってるっていう歌の圧はすごいんだけど言ってしまえばただケンカしているだけなので、その中でちゃんと救難信号を出して職務を全うし続けるブライト君の生真面目さとかそういうものが出ていて、観てるときはちょっと「いやブライトくんそこいる?」「3人よそでやって???」ってフフッとなっちゃうんだけど←

 

びしゃびしゃに泣きましたけどそのあとのアフタートークショー

「客席降りのとき階段がトントトトントントントトントントンってなっててハァハァする」擬音ばっかりのあいばっちとか

それを受けて「トントトントントンでなんか踊ってよ」って上口くんに無茶ぶりをする藤岡さんとか

それにすぐ乗っかって手拍子する客席に「大阪の方!!!」って独特すぎるツッコミする上口君とか

上「東京でもなんかこういう感じになったんですけど、『ッッッシーーーーーーーーン…………』でしたからね」っていう悲しい話とか

藤「(開場してからの30分)何考えてんの?」

「そりゃあお芝居のこと考えてますよ」

藤「ラーメン二郎のことは考えないの?」

「そりゃあ、ちょっとは考えますよ!」

(爆笑&拍手)っていう加藤和樹さんとか

気持ちが高まりすぎて「西のイントネーションになった」上口くんと

高まりすぎてマチソワの間で「ばっち押し倒してちんちんさわった(※原文ママ」藤岡さんの話とか

はじけすぎてもうよくわからなくなったからかっぱ横丁でうどんたべて帰りました頭が痛かった←

 

人の考察読むのが楽しいミュージカルですね。

もちろん劇場で観て演出とか楽曲の美しさとストーリーに打ちのめされてこそ、ですけど。

CD切実に欲しい~~~ってアンケートに書いてきたので何卒…。