ぜんぶ盛り

推しへの愛が素直。

スリル・ミー松柿ペア大阪夜公演

1ヵ月くらい経ちましたけど書きます。

ていうか1ヵ月経ったけどまとまりきらねぇので思いつくまま書いてます。

箇条書きです。

 

CDだとそうでもなかったんですけど、めちゃくちゃ「私」に感情移入というか「私」の目線で物語を見てしまった。

ていうか洸平君ほんっとにお芝居がうまいですね!?!?っていう表現であってんのか?芝居してる感がない。台本を感じない。いや二人ともだけど。

 

松下私

・ため息が多い。最初の「座っても…」て言いかけてるのを遮って「始めます」って言われた時点で「はあ…。」。彼と再会しても「じゃあ、8時に…。(はあ…」。疲れてんね?←

こう、主張しきらない、根に持ってる誠実さとかやさしさを感じました。でも言いたいことはあるのでオカンみが強くなる。

・後輩に慕われてるタイプのレイだな?「彼」以外にも友達いるだろ???ってなるんですけどこれ松下私の特徴なんでしょうか…。良い人っぽいんですよね…。だからこその終盤に切なさと悲しさが生まれるんですけど。

・左利きだね(萌えポイント

・眼鏡が似合う(萌えポイント(しかしすぐに萌えを苦しみが上回る

・人生を達観しているような54歳。

・19歳のレイはめっちゃかわいくてどうしようかと思った←

子犬。かわいい。素直。普通の青年。賢くて誠実そう。ビーグルとかそういう…(犬)

・松下くんは手がきれいですね。

「さわってください」と差し出す手のうつくしさよ…。彫刻にしてほしい…。タイプライター打つときも指がうつくしかった…。

・彼「俺が寝ているところを見てればいい」レイ「ありがとう…♡」←えっ?

いやふつうにめっちゃみてる!?なにそれ!?wってCDしかしらないのでけっこう衝撃だったwww

・目次でそれらしきところを探してからニーチェ読みだす松下私。かしこい。

・「ああ……完璧だ」完全にフラグ。

・「あんなに早く見つかるとは…思ってもみませんでした」暗転直前にニッコリと笑うの、恐怖がすごい。

めっちゃこわかった。普通の青年だと思っていたレイが一気に殺人を犯した犯罪者としての一面を出してきたので恐怖。そして「すべては彼を手に入れるため」という動機を知っているからこその恐怖。こわい。ライティングの加減で陰影がパッキリついていて、顔だけ浮いてるように見えて超怖い。このシーンだけホラー。ここトラウマ。なにより、悪巧みしてるぜニヤリ感の無い、自然な笑顔だったからもう余計こわい。シャンプーしてる時に思い出したくらい怖かった。

・戻れない道のリプライズで泣いた。悔いている…。彼をここまで連れてきてしまったことに…。そうすることでしか彼を止められなかった、自分につなぎとめることが出来なかった、ことへの後悔。懺悔。

・審理員「このような…猟奇的な事件については」私「りょっ…(不満げ(ちょっと文句言いたげ(でも強くは言わない」

いや猟奇的なのは認めなよ…www

・「こんな話、もう二度としたくありません」で涙をぬぐう姿に泣いた。あ~~~~(言葉にできない(しろよ

レイにとっての「彼」がどれほど大切でどれほど特別で、どれだけ、愛していたかがわかる…。

劇場ではめっちゃ泣きポイントだったけど、「私」はそのために何の罪も縁もゆかりもない幼い子供を誘拐して殺すことを許容したのだと思うと…。どうにも…。うう…。

・「僕と組んで」から「99年」まで、こっちが苦しくなるくらい切ないというか辛そうな松下私…。いやでも全体的につよいんですけども…。

・保釈されるとき、手錠が外れるしぐさ

指をゆっくり開いていき、かなりためらいながら最後に小指を解く…。

「共犯者」であるという「彼」との最後のつながりを失うことを懼れているかのようで…。めっちゃすきでした…。じゃあなんで仮釈放申請したんだって話なんですけど…。

・どこかで止められなかったのか、とか、どうしてこんなことに…と思うんだけど、松下私がこの結末を選んだのなら我々は何も言うまい…。という納得感があった。

子犬だけど強いけど何よりも彼を愛していたあの「私」をしてこうなるのなら仕方がないな、と。

・松下くんの醸し出す「普通の好青年」ぶりはなんなんだろうな?すごいな…。

読売演劇大賞杉村春子賞受賞おめでとうございます。

 

 

柿澤彼

・音を立てずに近づく際のスタイルが独特。なにあの足首の角度。

・煙草の煙でわっかを作る柿彼(器用

・CDと全然違う!!!!!!!!!!ヒャハってない!!!!!!!!!!虚無!!!!!!!!!どうしたかっきー!?!??!?!?!?

・何かが抜け落ちている表情なのでなんかなんともいえん顔やったな…ピヨってしてた…←

・CDでめちゃくちゃ好きだった「いいなまえだね(棒」が生で聞けたので良かったです←

・「お前の(笑)得意な仕事だろ(笑)(笑)」完全に小バカにしている。

・「俺が誘拐されたら…」のくだり、黙って膝抱えてるレイの方を見てからしゃべり出すので、め、めっちゃ優しい~~~!となった。

私が観たときの柿彼は、松下私への甘えが強かった(だから松下私がオカンみを増していたのか?)。たぶん無自覚。目線はあんまり合わないけど、大事なところではレイの方を見ている。でもあまり目線は合わない。すれ違う2人。しんどい。

・崇拝しているくせにニーチェ本の扱いが雑な柿彼。

・「このところなんっにも感じないんだ」焦燥感がすごい。渇きを感じる。

・誘拐するところほんっと楽しそうですね…!ここはヒャハってた。ほらっ!車のキーだ、ってあんなふうに見せられたらこのおにいさんたのしいところにつれてってくれると思っちゃうよね子ども…。

・「超人たち」で、手袋を口で外すのカッコよくてよかった(語彙

・「落ち着けよ、レイ」が台詞の言い方でしかもめっちゃ甘やかす名前の呼び方だったので不覚にもキュンとした

ていうか名前の呼び方が全部あまあまだったので、お前、ほんっと…

・「悪かった俺のせいだ背中まで見なかった(棒(早口(ノンブレス(1ミリも悪かったと思ってない」

 

2人

・最初のキスシーンが、今まで散々レポ読みあさってきてたあの松柿のキス(軽くキス→彼、ニヤッと笑って続き(ガッツリちゅー)で、ああああわたしいまスリル・ミーをみているうううう!!!!となった(語彙

あと去り際に投げるマッチが、手首で投げた(大きいフォームじゃなかった)のにきれいに弧を描いていたし松下私ちゃんとキャッチしていてすでに絵面というか視覚的に美しいを突き詰めているようだった。

 

・シンメトリーの動きが多くて様式美を感じた。

ビックリしたのが、契約書に血でサインするところ、先にハンカチ出して指拭いてる松下私が、柿彼がナイフをポケットにしまうときに同時に自分もハンカチをしまっていたところ。そこシンメにする…!?

あと「僕だけじゃないよね!?」で手を出して彼の指切る気満々のレイくんつよくてウケた←

たぶん「僕の眼鏡」で、どちらかが立てばどちらかが座る、奥に行けば手前に行く、っていう、動作と立ち位置が対称になる場面が多くて、様式美を感じた。

 

そこまで対称、シンメトリーの美を追求しているような松柿だからこそ、「スリル・ミー」の時に対称じゃなくてカノン(追複)になるの、マジで…。

ネクタイを外し終えるタイミングは柿彼の方が早いのに、松下私が外すのを待って、私が床に落としてから柿彼が落とす。

あくまでも松下私が柿彼を欲しているからそうしてやってると見せかけるというか印象付けるというか、「互いの要求にこたえる」契約はしたし、契約書の上では平等だけど、マウントを取らせるつもりはないというかどこまでも「私は彼を愛している」事だけが示されて彼から私への気持ちは見せてくれない…。

そりゃあ「いい加減な気持ちなら嫌だ!!!!」ってなりますよ!!!

1つ1つの動作の積み重ねで言葉の外側で我々が受け取れることがこんなにもあるなんて…。しかもこんなにも美しく示されるなんて…。すごい…。(語彙

 

・「あの夜のこと」、それまで不安そうでおどおどあせあせしてた松下私が、手を握り合ってからは背筋も伸びて正面を見て自信ありげに彼の言葉を復唱してみせるのが、二人の関係性というか気持ちの向きを感じて良かった。いや、ここらへんのシーンはこのあとの展開を思うと、「私」はどんな気持ちでこれを…ってなるんですけど。

 

・「99年」

CDの柿彼はここで心が閉じてしまうというか「私」を拒絶してしまう印象だったんですけど、今回観たときもそうでした。

自分が完全に優位に立っていると思ってた対象から奈落の底に突き落とされる…。これから先の人生のすべてを相手に奪われる…。

対して松下私、「一緒に死ねるなら、それも悪くない」が重い。あまりに重い。相手の人生を奪う代償に、同じく自分の人生を差し出したのが松下私…。

審理員が「彼と出会っていなければ、あなたの人生も違う物になっていたのでは」みたいなことを言いますが、「彼と出会っていない」人生が考えられないほどに、彼のことを想っていた人なのだなあと思うのです…。

眼鏡を落としたのは、『「彼」を手に入れるため』というよりも、『「彼」の手をこれ以上汚させないため』だったのではないかなぁ…。それはそれでエゴの塊だけど…。自分が理想とする彼でいさせるために、っていう…。その理想が反社会的行為をやめさせること、なところが松下くんの良い子感が出ている所以なのでしょうか…。

あと松下私はこれ以上犠牲者が出ることを望んでいないような気がする…けど「あんなことがなければ」の他人事感というか、本当に自分と彼のことしか見えてないような言い方だったしなぁ…。

「彼」と「私」の間に「犠牲の羊」という他者が入り込んでくることが許せなかったんでしょうか…。こへレイはそんなサイコじゃないと思うんだけどな…。

考えれば考えるほど行動原理がすべて「彼への愛」だと感じる反面、それ以外の部分がわからなくなってくる…。

 

かっきーがパンフで「彼は私を愛していなかったのでは」とか言っててマジかー…(絶望顔)です。いやでも嫌いじゃないとは思う…。

 

あとフィナーレやっぱり生で観たら泣くわ。

 

「待ってたよ」

『レイ』

「さあいいか、僕たち二人、共犯者、だから、スリル・ミー

スリル・ミー」

 

これだけで泣ける。

「レイ」の言い方が劇中と変わらず甘口だったので、心臓ギュってなった。

 

私が観た回は、二人のすれ違いをたくさん感じて(お互いを見ているけれどタイミングが違うので合わない目線)(「スリル・ミー」の、お互い渇いて飢えてるのに求めるものを間違えている感じ)(「脅迫状」の、会話(黙りこくる私を見て会話してあげようという意志はあるのにその会話で彼の地雷を踏む私)(ここまですれ違っているのに、動作はシンメ)つらかった…。

感情が見えやすい「私」に気持ちが寄り添ってしまって、「悲しいけれどこうするしかなかった;;」みたいな気持ちになる…。

 

終演後、5分ちょっとロビーの机にしがみついて「なんだこれ…」って延々呻いてた程度には衝撃を受けた。

 

初めての生スリル・ミーが松柿で良かったです。

再演まだですかね?