ぜんぶ盛り

推しへの愛が素直。

2022年に見た演劇まとめ

観たもの1つずつ記事にして書きたかったんだけど、文字をアウトプットする脳の機能がイマイチ働いてくれないのでまとめることにしました。12月だし。

10作品。

 

 

感想だけ。あらすじなし。長い。

 

 

 

KERACROSS「SLAPSTICKS」

観劇初め。

もっとコメディっぽい感じかと思いきやしっかりビター。

お笑い沼に浸かっているので感じるものありまくり。

めちゃくちゃハマってる芸人さんに対して(人の善さがお笑いを追い越している…)と思うことがたまにあった(悪口をあんまり言えないとか)ので、主人公ビリーが「コメディ」をやるには優しすぎる、と言われるシーンがぶっ刺さった。

推し芸人は15年ずっぷりお笑いの世界で生きているから、私から見たらあんなに良い人だけどきっと私に見えているよりネジがぶっ飛んでいるし、そういう世界に生きていける適正があるんだろうな…。

特にはんにゃ金田さんが演じるロスコー・アーバックルが、現役お笑い芸人が演じる銀幕のコメディスターというメタ置いておいても素晴らしかった。ちょっとアドリブっぽいシーンが普通に面白くて笑ってしまった。

人を笑わせる職業の人間がえげつないスキャンダルの渦中の人となると、もう誰も笑えなくなるという、人生のすべてを懸けてきたものが取り戻せなくなる苦しみ。

それが自業自得なのか陰謀なのか明言はされないけど、まあそういう状態って誰でも思い浮かぶ程度には”ある”よな…って…私の脳裏に浮かんでいる人は自業自得の人だけですけど…。

かつて彼にサインをもらったり映画の劇伴を途中で演奏できなくなっちゃったほど笑ってたのに、8年後にアーバックル氏の裁判で彼の罪を決定づける証言をするアリスが、その8年のあいだに何があったのか知りたいと思ってしまうけど、知ったところでビリーにはどうにもできないんだろうなと感じて、寂寞…。

舞台演劇あるある、何も知らない民衆が噂で人を殺す。社会的な意味であり精神的な意味でもある。

中年になったビリーから、映画の現場にいた人たちをはじめ「人間への愛」を感じたと同時に、あの時代は、いなくなった人は、失ったものは、もう戻らないという寂寥感というか諦念のようなものを感じた。

役者志望なのに嘘をつくのに向いてなかったんだろうな。

冬の寒くてキリッとした空気にあった作品でした。

 

宝塚歌劇団 月組今夜、ロマンス劇場で」「FULL SWING」

映画の世界が舞台で助監督が主人公の作品を連続で見ました。

無声映画からトーキーへの移行、映画からテレビへの移行。「忘れられる」ことの虚しさと怖さ。

予習せず観に行ったらびっちゃびちゃに泣いた笑

後半20分くらいずっと泣いてた。芝居の月組…。

ラストシーン良すぎて…。

モノクロの世界が色づいていくあのシーン、予想できるのにまんまと泣いた。

くらげちゃんが…正真正銘「月組のプリンセス」だった……。

組カラーのドレスでお披露目公演で結ばれるトップコンビ、尊すぎて勝手に泣く。

鳳月杏様は日本で一番ジゴロが似合う役者。

ショーで暁千星さんがいっっっっぱい回転していて、なんかもう面白いの域でした。人間があんなに回転出来ることってないもん。

美しいだけじゃないけどそれでも美しく麗しい世界を浴びられて良かった。

 

劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎「神州無頼街」

初めての新感線!

音楽も衣装も顔も派手!!オリックス劇場が狭く感じた。東京ドームでやってほしい!!!

ゲキ×シネでしか観たことなかったから音響も照明も映像もホントに生でやってんの!?ってくらいバチバチにハマってた。すっごい。

顔の良さに自覚がある男が性癖なので永流さん好きでした。

次郎長親分はカッコよすぎて恋だった。

松雪泰子様は1幕からずっとラスボス。

派手なのに誰も埋もれない世界。極彩色特濃キャラなのに渋滞せず物語が進み全員に見せ場がある。素晴らしい。

 

ミュージカル「ブラッドブラザーズ」

誰も幸せにならなかった。

 

デカくて黒くて歌がうまい伊礼彼方。

イギリスのボンボンが似合いすぎるウエンツ瑛士

いつ見ても血の契約を結ぼうとする柿澤勇人。(それはお前の観る作品が偏っているせいでは)

適材適所だったけど作品としてはあんまりハマらなかった。

双子の物語というより母の物語だったし、幕開いて1曲目から「やめたほうがいい!!!!!」っていうことばっかりだったので大変だった笑

とりあえず処方された薬はちゃんと飲め。

 

ミュージカル「ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート」

ウルトラハッピ~~~~~!!!!!!

良すぎてマチネ終わってリピチケでソワレ足した。

全員楽しそう。パリピ

元気いっぱいすぎるファラオ様。股下5mあるのに言動が3頭身。麗しく威厳があるのにかわいくてアホの子。究極。BIGLOVE

メガミックスの「祭りだ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!」という一体感。

曲の中毒性がやばいし、訳詞の語感とフックがすごい。耳に残る。

今でも♪ベンジャミン メチャ イイヤツ~というメロディと共に脳裏にパイナップルがよぎる。

カラフルで楽しく麻薬的な中毒性がある。これは劇場で観るべき作品。

強制的に楽しくなれる。最高。

観劇前の期待値はそんなに高くなかった分、ハードルをえげつない越え方してきた。

 

ミュージカル「メリー・ポピンズ

お父さんに感情移入しちゃって自分の年齢を感じた。

「お砂糖ひとさじで」のところで保育園で働いていたころの人格が出てきて勝手に苦しんでしまった。そうだよなァ~~~…。楽しさを見つける手助けをしていきたい…。私にはもうできないが…。(転職したから)

世間の人たちが想像するミュージカルってこういうことだよな、っていうハッピーであったかい物語。

子どもが見ても楽しいけど子供だましじゃない作品。

お馴染みの曲を歌ウマ出演者たちで聞けて嬉しい。

もっとへらへら観るつもりだったのにちゃんとピチャピチャに泣いてしまった。

日常にキラキラをもらえたような気持ち。

 

ミュージカル「スワンキング」

Twitterで流れてくるツイートを見て観に行きました。

国家予算で推し活する国王の話って言われたらそりゃ気になるでしょ。

「わかる~~~!!!」と「そりゃそうなるだろ」と「そうはならんだろ!!!!」が混在していた。

妻の不貞をハンスが「許そう」って言ったあとのコージマが「許さなくていいから理解をしてほしい」みたいなことを言うシーン、そうなんだよな~~~~~!!!!が極まった。

世間の倫理とかでは測れないところにいるんだからそのことを理解してもらえればいいし、許すとか許さないとかいう問題ではない。

やりたいことをやるためには迷惑をかけることもあるという前提で生きて、ある程度人に迷惑をかけてでもある程度は己の幸福を追求した方が良いよな…そして迷惑を掛けられて無理になったらちゃんとキレて喧嘩した方が良いな…って思いました。

「あなたの夢を夢のまま終わらせない」といったルードヴィヒが夢の実現を見届けないまま自ら死を選ぶのしんどかった。

 

ジャンプの前の助走が長いみたいな、歌いだすまでが「前奏を待っている時間」だなぁと感じる部分はけっこうあった。

曲のバリエーションは楽しくて好き。

主役の人がけっこうお着替えしており、ファンサだ~~~~って思った。

 

ミュージカル「ガイズ&ドールズ」

キャストが豪華すぎる。四天王。

ミュオタのはしくれとして博多座には行っておきたい、という謎の行動原理で博多座へ。

めっちゃ楽しいな~!見やすいし音響も良いし、マルシェみたいに食べ物とかお土産売ってるし。行ってよかった。

宝塚版(新星組版)を見たことがあって、曲が大好きなのでとっても楽しみにしていた。

Luck Be a Ladyがめちゃくちゃ好きで…。振りもカッコイイし…。

オーバーチュアで映像が流れているところ、古典的でめちゃ良かった。

物語としてはまあツッコミどころもあるっちゃあるんだけど。

アデレイドちゃん!ネイサンなんかやめて俺と結婚しよ!!って思うけどアデレイドちゃんがネイサンを心から愛していてアデレイドちゃんを幸せに出来るのはネイサンだけだって俺は知っているんだァ…って謎の感情になったりした。

上質なミュージカルを観た、という満足感で満ち満ちた。

 

余談ですが、観劇の二日前くらいにコロナで中止になって、再開のお知らせが翌日ごろに出て、ドキドキしながら現地に向かって、幕が開くのか不安で、1幕終わってからも2幕が観られるのか不安で、上演中もずっと「ここで中断です」って言われないかドキドキしてて、本当にストレスだった。脳にいらん負荷がかかり続けていた。

1公演観るだけの客でもこれだけ集中力を欠くのに、この状況を毎日やる演者スタッフたるや。

もうちょっとどうにかならないかなと思う。

ずっと不必要な緊張を強いられている。

 

ミュージカル「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」

初演は熱をTwitterで見ていたけどスルーしてたら推しが出ることになったのでチケットを取りました。

原作アニメ初演なにもかも見たことが無い初見。

あのネットミームが3次元で!っていう謎の感動。

ワイヤーアクションは速度が無くてもうちょっとなんとかならんかったかと思わなくもないけど、おおむね肉体による表現がダイレクトに熱気となって客席に伝わる。

巨悪に抗う民衆たちの歌でびゃあびゃあ泣く。

忙しい人向けって感じで駆け足な部分も多かったけど、それぞれのキャラに見せ場があって楽しい。

どハマりはしなかったけどまあ楽しかった。

笑っていいのか?シリアスなのか?っていうツッコミどころの多い演出だったので好き嫌い分かれそう。

めちゃくちゃビジュアルが2次元だった。全員。すっごい。

1幕ラストの自分の肉体に宿る力を持て余していたケンシロウがだんだんと身体を意のままに御せるようになり、末端まで己の意志を行き渡らせて動けるようになっていく様子が身体で表現されており、震えた。私は言語優位の認知をしているのだと思うけど、身体表現だけでここまで”意志”が伝わるなんてという感動があった。

全員の中に美学や主義があって妥協するくらいなら死ぬという潔さ。

あまり触れてこなかったタイプの作品なのでそういう意味でも面白かったです。

 

ミュージカル「ヘアスプレー」

本筋に関係ないんですけど、主演が吉本興業所属だからFANY(吉本のお笑いライブなどを扱うチケットサイト)でミュージカルのチケットを取った。席種選べるの嬉しかった!FCだとS席のみ取り扱いとかもあるので貧乏人には厳しかったので。マチネが梅芸、ソワレが祇園花月という吉本のいぬマチソワ。

 

予習なしで観た。

太ってる女の子がアイドルになりたくてがんばる話!見た目で決めつけるの良くない!みたいな話と思ってたらがっつり人種問題とかも扱ってて意外だった。

あらゆる意味で、渡辺直美がこの感じで存在してくれていて感謝すべきだな…って思った。パワフルでキュートで求心力がある。

重ためのテーマを扱うところもあるけどポップな曲で構えず観られる。

これまじで中学生全員に見せた方が良い。

人を自分を愛して、間違ったことには声をあげるべき。

自分の信念を持って、前を向き、正しい道を探し、人を傷つけたら謝る。

色彩がポップなので非現実に思っちゃいがちだけどめちゃくちゃ現実だし地続きの話だし。

私も考えることを辞めてはいけないし、前をしっかり見据えて生きねばならないなぁ~~って思いました。

 

 

以上です!!!

無事にチケットを持っている公演は全部観られて良かった。

前回取れてて中止になったエリザのチケットは今回取れずで戻って来なかったけれど…。

 

来年以降も楽しくフムフムといろんなものを観てちゃんと思考して、行動していきたいなと思います。

たくさんのものを受け取れるように己の器を大きくして感性を磨いていきたい。